結婚式と言っても、色々な結婚式の形がありますよね。
大勢のゲストを呼んでホテルにあるチャペル内でそのまま披露宴をする場合もありますし、かなり少人数で森の中でやりたい方もいるかもしれません。
神前式で厳かに行いたい方もいるかもしれませんね。
今日は、一般的な結婚式から大きく振り切った、”ブライダルトレイン”という結婚式について紹介しようと思います。
ブライダルトレインとはその名前の通り、電車を貸し切り車内やホームで挙式や披露宴を行う結婚式の事です。
電車が好きな人にとっては、とても幸せで思い出に残る結婚式になるのではないでしょうか?
電車好きなゲストの方にはもちろん、そうでない方にとっても電車で結婚式というのは記憶に残る結婚式になると思うのでぜひ参考にして下さい。
スケジュール
ブライダトレインの流れについて紹介します。
披露宴を車内で開催する場合
出発駅の改札近くやホームで受付
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到着場所のホームや車内で挙式
(停車中の場合も運行中の場合もあり)
↓
(中間地点で停車)
(折り返し地点から出発)
↓
車内で披露宴開催
↓
新婦の手紙等、各種演出
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出発地点に戻ってきて解散
挙式のみを行う場合
出発駅の改札近くやホームで受付
↓
到着場所のホームや車内で挙式、各種演出
(停車中の場合も運行中の場合もあり)
↓
(中間地点で停車)
(折り返し地点から出発)
↓
出発駅か到着駅の近くで披露宴を開催
といった流れで行うことが多いようです。
飲食が可能かどうかや、車内に机を提供できるだけのスペースがあるかどうか、何名まで乗ることができるか、車内でマイクなどが使えるか等によっても、結婚式の演出内容に制限がでる場合があるので鉄道会社に確認してみてくださいね。
どんな演出ができる?
ブライダルトレインをするなら演出や装飾にもこだわりたいですよね。
オリジナルヘッドマーク(列車の先頭部に掲げる飾り看板)
貸切の場合であれば鉄道会社が作成を担ってくれる場合もあります。
だそうです
駅長さん立会いの元での人前式、婚姻届受理証明書
駅長さん立会いのもと、結婚誓約書や婚姻届受理書を受け取るといった演出も素敵ですね。
記念の硬券
席札がわりとしても、記念に配布するものとしてもおすすめです。
地元の方に集まってお祝いしてしてもらう
せっかく電車を使って結婚式を行うのであれば、地元の人も祝福できるような演出があるといいですね。
オリジナルウェディングケーキ
披露宴の演出ではおなじみのケーキ入刀。鉄道や線路を模したウェディングケーキなら、忘れられない思い出の1つになりそうです。
車両の連結
ケーキ入刀の代わりに車両型のロールケーキを二つ分用意して、二人で連結させるという”初めての共同作業”があっても面白いかもしれませんね!
ブライダルトレインができる鉄道は?
さてスケジュールや演出についてみてきましたが、実際にブライダルトレインをしてみたいなあ、と考えている方はどこで行うことができるのでしょうか?
過去にブライダルトレインを行なっていた鉄道や、車両を簡単に貸し切ることができそうなものを探してまとめてみました。
()内は鉄道会社がある場所を記載しています。
函館市電(北海道)
ブライダルトレインの事例は見つけられませんでしたが、1車両・1運行につき貸切料金は20,000円で、飲み物、お弁当、オードブル等の持ち込みも可能です。
ちなみに乗車の過半数が大人である場合は小人料金(1車両・1運行につき10,000円)です。
由利高原鉄道(秋田県)
ブライダルトレインの記事は出てこなかったのですが、貸切が可能で飲食(アルコール含む)も可能なので、ブライダルトレインとしても十分利用出来るのではないかと思います。
JR信越本線、上越線、飯山線(新潟県)
2018年に撮り鉄の@かつかれいさんが行なったブライダルトレイン(#ブライダルトレイン十日町2018)は新潟県の柏崎駅から長岡駅を経由、十日町駅へと向かう工程で、キハ47系を使用したそうです。
新郎は柏崎駅から乗車し、長岡駅で待つ新婦を迎え、花嫁と出席者が列車に乗り込みます。
長岡から宮内まで引き返し、越後川口から飯山線の十日町へ。
その後は十日町近くのホテルで披露宴を行ったそうです。
ぜひ参考になさってみてください。
JR東日本、只見線(福島県、新潟県)
旅鉄オブザイヤー2018の大賞を受賞した”風っこブライダルトレイン“は、只見線の完全復旧を祈念して行われたものです。
演出やスケジュール等の詳細はわかりませんでしたが、只見線を貸し切っての車内プロレスやサイクリング企画などが出てきたので、ブライダルトレインを走らせることも可能だと思います。
三陸鉄道(岩手県)
こちらは三陸鉄道と浄土ヶ浜パークホテルのコラボで募集されていたブライダルトレインで、10月27日に挙式予定のものです。
残念ながら応募期間は過ぎてしまっていますが、三陸鉄道のHPから車両の貸切を予約することができますので、事例を参考にしつつ自ら行なってみることも可能だと思います!
予定されていたスケジュールは以下です。
11:00頃〜
宮古駅出発
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新郎新婦ゆかりの駅
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13:00頃
宮古駅到着
演出には、貸切列車を装飾、立会人として駅長が乗車、結婚式オリジナル乗車券ほか、日本最長163kmにちなんだ163個のバルーンでバルーンリリースなどがあり、披露宴は浄土ヶ島パークホテルで行われるそうです。
関東鉄関東鉄道(茨城県)
常総線の一部区間を使って人前式を行うことができ、結婚式ではなく前撮りを行うこともでき、詳細は秋山写真工房のHPで確認することができます。
スケジュールは以下のようになっているようです。
ウエディングヒルズアジュールで身支度
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守谷駅経由の送迎バスで常総線水海道車両基地へ移動
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記念撮影・出発式
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水海道→下妻(折り返し)
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下妻→守谷
都電荒川線(東京さくらトラム)(東京都)
都内の電車貸切としては、かなりリーズナブルな価格(片道13,280円)で貸切ができるので、遠足をはじめオフ会やサークルの貸切などで使われているようです。
HPには『飲食はご遠慮願います』と書かれているので、披露宴を行うことは難しいかもしれませんが、過去にはPEANNE株式会社で車内で人前式を行なった実績があるみたいなので、気になる方はぜひ連絡してみてくださいね。
いすみ鉄道(千葉県)
いすみ鉄道で人前式を行なったレポートがありましたので、ぜひ探してみてください。
工程は以下のようでした。
大多喜駅での写真撮影、ホームでの人前式
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電車に乗ってイタリアンのフルコース
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大原駅で折り返し
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大多喜駅まで新郎新婦からの手紙のサプライズ
HPを見ると、貸切の車両は国鉄形気動車(キハ52(左)、キハ28(右))と菜の花車両(いすみ350形)が使えるそうで、気軽にお願いすることができそうな印象を受けました。
西武鉄道(旅するレストラン52席の至福)(埼玉県)
『列車をまるごと貸切り、移り行く景色をご覧いただきながら、美味しいお料理と共にウェディングパーティーをお楽しみいただけます。他には無い特別な空間で、おふたりならではのウエディングパーティーを演出します。』(引用:HPより)
中間の車両でシェフが料理を振る舞うので、できたてのお料理をゲストに召し上がって貰えます。
運行区間は、往路の池袋駅〜西武秩父駅までの約3時間半(人前式)、復路の西武秩父駅〜池袋駅までの約3時間(披露宴)が、西武新宿発⇆西武秩父駅区間での運行も応相談だということです。
過去に行われたブライダルトレインは以下のスケジュールで行われたそうです。
ご参考までに。
10:07 西武池袋駅1番線ホームで受付を済ませ、出発。
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11:20 人前式、飯能駅でバブルシャワー
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11:52 飯能駅を出発、プロフィール映像上映
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12:57 西武秩父駅に到着、集合写真撮影、自由行動
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13:40 車内で披露宴開演、ウェルカムスピーチ、祝辞、ケーキセレモニー
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13:55 シェフのメニュー紹介
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14:03 西武秩父駅を出発
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14:30 再入場。クイズの正解者にプレゼント、生ライブ
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16:10 花嫁の手紙、新郎祝辞、退場
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16:39 池袋駅到着、ゲスト降車
大井川鐵道(静岡県)
日本で唯一年間300日、SLを運行している大井川鐵道。
日本旅行と大井川鐵道のコラボで、なんとSLのブライダルトレインが出来るようです。
駅長さん立会いによる新金谷駅ホームの人前式や駅長・機関士・車掌署名入り結婚証明書、新郎新婦デザインのオリジナルヘッドマークを取付けなどの演出ができるそう!
特注SL型ケーキも用意できるみたいなので、SLに興味のある新郎新婦にとっては、一生に一度のとっておきのこだわりのある結婚式になるのではないでしょうか。
伊豆急行(リゾート21)(静岡県)
伊豆急のリゾート21を貸し切り、JR東京駅や品川駅から伊豆のリゾートウェディング会場へと運んでくれます。
レポートは鉄道新聞のものを見つけることができました。
乗務員の制服を着て新郎新婦が登場し、車内放送で司会を行なったり、オリジナルのヘッドマークをつけたりすることもできるそうです。
近畿日本鉄道 近鉄南大阪線、吉野線(青の交響曲)(大阪府)
近鉄南大阪線、吉野線を走る青の交響曲(シンフォニー)を使ったブライダルトレインが2016年に行われています。
区間は大阪阿部野橋駅から吉野駅を1往復で行われたようです。
詳しい演出や余興が何を行われていたのか分からないのですが、ぜひ検討なさってみてください。
北大阪急行電鉄(大阪府)
2019年10月の北大阪急行電鉄50周年を記念して、千里阪急ホテルとのウエディングトレイン(無料)が2019年11月30日まで募集が行われています。
車内装飾、オリジナルヘッドマーク掲出、オリジナルウェディングケーキ、つり輪の交換、洗車体験、記念撮影などの特典がついており、希望があれば千里阪急ホテルで披露宴(有料)を行うこともできるそうです。
もし応募ができなくとも同じようなスケジュールでのブライダルトレインは出来ると思うので、気になる方はぜひ問い合わせてみてくださいね。
JR西日本、大阪環状線(大阪府)
2017年に『JR西日本とホテルグランヴィア大阪、日本旅行の3社は2018年3月4日に、大阪環状線新型車両323系を「ブライダルトレイン」の特別運行』を発表しています。
2015年以来二度目だそうなので、もしかしたらそろそろ次回の案内があるかもしれませんね。
土佐くろしお鉄道(高知県)
土佐くろしお鉄道では2016年に初の”Bridal Train ~四万十川の橋梁で結婚式~“題したブライダルトレインを企画し行われたようです。
抽選で7組の中から選ばれた1組のカップルが挙式でき、以下のスケジュールで行われたようです。
13:32 ご両家連結セレモニー @中村駅3番線
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13:52 Bridal Train出発
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13:54 四万十川橋梁上に停車した列車内で結婚式(約41分停車)
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14:39 国見駅停車
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14:47 有岡駅到着、記念撮影後に中村駅へ向け出発
JR四国(伊予灘物語)(愛媛県)
伊予灘物語は松山駅 – 伊予大洲駅・八幡浜駅間を予讃線(愛ある伊予灘線)経由で運行している観光列車です。
ゼクシィに伊予灘物語を使った結婚式の様子が上がっています。
以下にスケジュールを引用いたします。
10:00 JR松山駅に新郎新婦とゲスト入場
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10:36 JR松山駅出発、新郎新婦のあいさつ、乾杯、結婚証明書作成、リングリレー
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11:28 JR下灘駅到着、人前式・写真撮影をして乗車、鏡開き、ちらし寿司入刀
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12:54 JR伊予大洲駅でお色直し、入場セレモニーをして再び乗車
JR松山駅に向かって出発
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14:16 JR下灘駅でブーケプルズ、同僚からのサプライズダンス
再び乗車して、ゲストに引き出物を、父母へ花束贈呈、両家謝辞、新郎あいさつ
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15:25 JR松山駅に到着、お開き
高松琴平電気鉄道(ことでん)(香川県)
レポートは見つからなかったのですが、HPに写真が乗っていました!
車内での飲食(アルコールを含む)も可能だそうなので、車中で披露宴を行うことも可能そうですね。
誰にたのめばいい?
様々な鉄道会社のブライダルトレインの事例を紹介してきましたが、実際に行いたい場合は誰に連絡をとって、どのように結婚式の準備を行っていけば良いのでしょうか?
①鉄道会社が募集しているものに応募する
先にもいくつか紹介したように、お祝いの年やプロジェクトの一貫、またはホテルとのコラボ等で、無料または手頃な価格でブライダルトレイン運行の企画を鉄道会社が行なっている場合があります。
そのような企画に応募するのがもっとも手っ取り早いかとは思いますが、希望の鉄道会社が結婚式をやりたい時期に募集をかけることや、また借りにあったとしても応募の中から選ばれることも大変なので、もし当たればラッキー!といった心持ちにはなりますね。
②貸切電車を走らせる
ブライダルトレインの先行事例がなくとも、貸切をすることが難しくないようであれば、挙式や披露宴を車内やホームで行うことは可能だと思います。
都会の電車だと車両が多く貸し切るのは費用がかさむため、数量で貸し切れるものを探し、またできれば飲食(アルコール含む)が可能だと、ブライダルトレインの候補としては十分要素を満たしてると思います。
鉄道会社とのやりとりが必要不可欠になり、また貸切電車を走らせることは短期間で許可が出るものではないので、出来るだけ余裕をもって準備を進めたほうが無難かと思います。
装飾や演出などは自分で考えるのも手ですが、フリーのプランナーさんやブライダルの会社に頼むとグッと素敵な結婚式になると思います。
参列者の人数は電車に乗ることのできる人数に関係してきたり、ドレスによっては乗降が大変な場合があったり、演出やスケジュールに制限が出てくる場合があるので、あらかじめこれは結婚式に取り入れたいというものを考えておくと、取捨選択がしやすくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ブライダルトレインを初めて聞いた方も、少し興味をもっていた方も、参考になれば幸いです。
準備は大変かもしれませんが、ゲストにとって新郎新婦にとって間違いなく忘れられない結婚式になると思うので、ぜひ検討してみてくださいね。