どうも、firstfilmの梶原麻美子です。
こういう登場の仕方はかつてなかったので、初めまして・・・ですかね?
普段、firstfilmの中の人としてInstagramでもちょこちょこ発信をさせていただいております。
やってみたかった、ようこそ的なやつ
実は私、firstfilmの在宅社員。現在は長野に住んでいます。
完全におのぼりさんです。
東京駅のこの場所といえば、
言わずと知れたフォトウェディング(ロケーションフォト)での人気スポット。フォトジェニックな日本の中心で愛を叫びながらの撮影・・・素敵すぎる!
でも、このキラキラした瞬間までには多くの想いや背景を抱えた長い長い道のりがあり・・・口には出さずとも結婚式は人生最高の私でいたい!と多くの花嫁が願っているのではないでしょうか。
今回はそんな花嫁の願いを叶えるために日々奮闘し、かつウェディング業界の未来を見据えながら挑戦を続けるヘアメイクさんにリアルな声を伺ってきました。前編と後編に分けてありのままをお届けします!
竹本実加さんプロフィール
今回お会いしたのは、株式会社DREAT Creation代表、ヘアメイクの竹本実加さん。
静岡県出身。
昔から憧れだった美容師を目指し、高校時代よりサロン業務に従事。日本美容専門学校卒業後、2010年BEAUTRIUMに入社。のちに、更なる美容の魅力を追求すべく、ヘアメイクへの転身を決意する。
サロンで実務経験を積みながら、エステスクールへのWスクールもスタートさせ、毛髪美容他スキンケアやアウタービューティー全般の資格・知識を修得。
2014年にフリーとして独立後、広告や日本最大級ファッションショーのヘアメイクをはじめ、複数の美容資格を活かし美容講師や美容企画ディレクション、企画デザイン等、クリエイティブまで幅を拡げる。
ウェディングの魅力に出逢い、2016年4月「ときめきの創造」を理念に(株)DREAT Creationを設立。現在婚礼ヘアメイクをはじめ、コーディネートにこだわったオリジナルのウェディングフォトのプロデュースや関連事業ディレクションを手掛ける。
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もともと自身をモデルにヘアスタイルのセルフアレンジで人気を博していた彼女は、花嫁のヘアアレンジへのこだわりはもちろん、ヘアメイクがあるべき姿や花嫁に伝えたいこと、そしてこれからの展望を穏やかに、力強く語ってくれました。
そんな竹本さん、実はウェディングの道でやっていこうと思えるまで長い長い道のりがあったと言います。
回り道したからこそ最高のタイミングでウェディングの道に進むことができた
梶原:初めまして!なんですが・・・実は私、今回このようなご縁をいただく前からインスタグラムで竹本さんのことが気になってました。
竹本:本当ですか!
梶原:普段、ウェディングの情報収集の手段としてインスタグラムも使っているのですが、「ヘアアレンジ」で検索したときに何度も目にとまった写真が竹本さんのヘアアレンジのアカウントで・・・
竹本:嬉しい・・・ありがとうございます!
梶原:いやいや、ここからの眺めもかなりの絶景ですよ。ありがとうございます!
美女とあんみつ。絶景かな。
竹本:なんかスイーツの紹介みたい(笑)
梶原:可愛い。満足です。
竹本:食いしん坊みたいですね(笑)
梶原:私が注文したあんみつですみません。
黒蜜をかけるのも楽しいお年頃。休憩時に美味しく頂きました。
梶原:まず、16歳からなりたいものが決まっていたということがすごい・・・私、いまだになりたいものを探してます(笑)。そして美容師にヘアセットサロン、ダブルスクールにてエステ資格、ハワイでロミロミのディプロマ取得に化粧品検定にアロマ検定にネイル・・・知識や技術の豊富さに驚きました。
竹本:勉強が好きというのもあるのですが、もともと目指していた美容師になったものの挫折をして。そこからまた美容業界で頑張りたくて・・・迷走していたというよりも、夢を探していたというか。
梶原:なるほど。学びながら、様々な仕事を受けながら、ピンとくるものを探していたんですね。
竹本:そうなんです。ロミロミのディプロマを取りにハワイを訪れている時に初めてフォトウェディングの現場に遭遇したんです。新郎新婦がすごく楽しそうにアサイーボールをシェアして仲良く食べるというシーンの撮影だったのですが、その時の二人の笑顔が今も頭に焼き付いているくらい素敵だったのと、なにより同行していたへアメイクとカメラマンの方々の幸せそうな笑顔が忘れられなくて。
梶原:それは全員日本人ですか?
竹本:はい。全員。こんなに楽しそうに仕事する人たちいるの?ってある意味衝撃的な光景で、そういう働き方って今まで考えたことが無かったことに気がついたんです。その時ハワイで「あ、これかも!」って思った時点で技術もスキルアップして自信が付いてきていたし、一生に一度っていうウェディングの特別感もわかってきていて。
ちょうど「一番ベストな技術じゃなきゃそこ(ウェディング)に携わってはいけない」って気持ちが切り替わった時期でもあったんですよね。それで帰国してからも頭からその光景が離れなくてしばらくしてからウェディングのヘアメイクになろうと。
梶原:知識や技術や経験が深まり、準備が整った状態でハワイでフォトウェディングの現場を見たというのが、今につながる大きなターニングポイントになったんですね。
竹本:はい。もう本当に良いタイミングだったなぁって。独立してすぐにブライダルの仕事にがっつり進んでいたらこんなに好きになっていなかったかも・・・価値があまりわからずに仕事をこなすだけになっていたかもしれなかったです。
梶原:やはりウェディングのヘアメイクというのは他のへアメイクの仕事と違う緊張感はありますか?
竹本:ありますあります。違いますねー。いまだに前日緊張して眠れない時もあります。
梶原:そうなんですね!
竹本:「一生に一度の日」という部分だけではなく、毎週いろんな式場に入っていて、一つ一つ導線や流れが違ったりするのでミスしてはいけないってプレッシャーもありますね。
花嫁に今、人気の髪型は◯◯◯◯!意識しているのは海外スタイル
梶原:聞いちゃっていいですか・・・ズバリ、今人気の髪型ってなんでしょうか?
竹本:もうこれは圧倒的にシニヨンですね。
菅野:しによん!?(弊社カメラマン突っ込んできた)
これがシニヨン
-シニヨンとは、分かりやすく言えば、後ろでキュッと束ねた髪をクルっとまとめたもの。海外女性のドレスアップの定番でもあり、今では日本のウェディングシーンにすっかり浸透したスタイル。
神聖な挙式シーンでも馴染む、「きちんと感」のあるシルエットが人気で、女性らしいエレガントなものからカジュアルまで、また洋装から和装まで幅広く似合わせができるのもシニヨンスタイルの魅力なんだそう。花嫁さまは立ち位置的に左側を美しく見せるのが鉄則という竹本さんの作るヘアアレンジは360度どこから見ても素敵!
梶原:圧倒的なんですね!
竹本:そうですね。希望を伺うと、シニヨンに憧れてる花嫁様が多いように感じますし、アレンジ次第で雰囲気を大きく変えられるスタイルなので人気があるのもうなずけます。
竹本さんのスタイルブック。これからご結婚される花嫁さまにお配りしているそう。
梶原:なるほど・・・みなさんこんなふうに低めのシニヨンで耳元まで隠しているんですか?
竹本:人によるんですが、海外の・・・外人さんのクラシカルさを求めたい方は結構耳元まで隠してますね。
梶原:それこそ結婚式のスタイルも海外を取り入れたものが随分と多くなったように思うのですが、やはりヘアメイクも海外を意識されている方って多いですか?
竹本:けっこう多い気がします。インスタはもちろん、海外アプリのピンタレストからも情報を見られてる方がかなり多いですからね。
でも日本のウェディングって海外の5年前を追っていて。ブライズメイドとかアッシャーもみなさんどこまで意味や役割を知っているのかなって。もしかしたら、可愛いからとかお友達とお揃いを着たいからっていうのがあるかもしれないんですが・・・もともと海外って基本的にファーストミートするんですよ。支度部屋が最初から違っていて、だからそのお手伝いをするのがブライズメイドとアッシャーで。それでそれぞれ花嫁や新郎を仕上げるんですよね。
梶原:そもそも、日本と海外では結婚式の作り方が違いますよね。日本は式場から、海外はプランナーから探すっていう・・・そいう意味でも見た目は真似ていても結婚式に対する意識が全然違うのかなって。
竹本:そうなんです。結婚するなら式場から探すのが決まりではないことを知ってもらえたら、本当の意味でもっと自由な満足する結婚式ができると思います。色んな視点があってもいいと私は思うので、今の日本のウェディングの常識が変わるといいなと思っています。
リアルが求められる今、花嫁が参考にしているのはやっぱりインスタ
梶原:みなさん具体的に髪型は何を参考にされてますか?先ほどおっしゃってた通り、やはりインスタですか?
竹本:はい。ほぼインスタですね。受注も驚くほどインスタからです。やっぱりどこよりも多くリアル花嫁さまから本当の意見が聞ける場所だと思うんです。みなさん、リアル口コミやパーティーレポートを参考にされているみたいで。先輩花嫁さまの担当をさせていただいたことでそれを見ていただいた花嫁さまからご依頼をいただくことが多いと、最近は感じています。
梶原:なるほど。分厚い情報誌をなぜかちょっと恥ずかしがりながら買う時代に結婚式をした私ですが、その頃よりもずいぶんリアルが求められているように感じます。
竹本:そうですね。最近はインスタにアップする写真もほとんど加工してないんです。以前はふわっとしたかわいい感じにしていて。それをやめたら少しずつホテルで結婚式をする方などからも受注が増えてきて。
梶原:そうなんですね!では例えば・・・竹本さん以外のヘアメイクさんのインスタ写真を参考にして、こんなのにして欲しいということも?
竹本:もちろんあります!正直ちょっぴり悔しい?時もありますが(笑)、私なりの技術で希望に応えたいと常に思います。同時に、もっと沢山の花嫁さまが私のヘアスタイルを参考にしてくれるような、そんな”個性”を発信していきたい、とも思います。その為に本当の意味で腕を磨こう!と燃えますね(笑)
大切なのはお客様の要望や好みを汲み取るチカラと提案力
梶原:そういえば、もうすぐ結婚式をするショートの知り合いがいるのですが・・・「ショートのアレンジのお手本がなかなか見つからない!」って言ってました。(笑)それこそインスタで見るウェディングフォトグラファーさんの写真でもショートの花嫁さまってあまりいない印象で。竹本さんのお客様でもやっぱり少ないですか?
竹本:少ないですね。ルールではないんですけど、みんな結婚するなら髪伸ばさなきゃっていう・・・何というか、似合うものが分からないし髪が長い方がボリュームが出せるからドレスと釣り合う髪型が出来るかもしれないって思われてるのかもしれないですね。
梶原:私、竹本さんのショートアレンジ、見てみたいんですよ。
竹本:ショートですか・・・今度是非受けてください!花嫁姿で!
梶原:わっ私!?いやいや、どう考えても誰得な写真しか出来上がらないですよ・・・
うん、やめておこう
梶原:竹本さんだったら、ショートのお客様が来られたらどうしますか?
竹本:まずはどういう雰囲気になりたいかと、会場とドレスのデザインを聞きます。
梶原:会場もですか。
竹本:会場から決める方が多いと思うんですけど、それって何も関係なく好きが反映される部分だと思うんです。もちろんウェディングドレスも。そこのバランスで好みのテイストを汲み取ってから、カールをどのくらいつけよう、高さはこんな感じにしよう・・・とかそういうふうに組み立てていきます。イメージはたくさん湧きますね。
梶原:めげずにすっごい変なこと聞いていいですか・・・
竹本:はい。
梶原:例えば私だったらどんなスタイリングになりますか・・・
竹本:結婚式で着られたドレスがマーメイドって言ってたじゃないですか。ちょっと大人ウェディングがタイプですよね・・・可愛らしい感じより洗練されていて、でもエレガントまでいかないモダンな感じが好みだと思うんです。
梶原:すげぇ・・・
竹本:そしたら、カールはふわふわにはしないですね。ちょっと毛先をカールさせるくらいで艶出ししてちょっと分け目を変えて。それで梶原さんならビジューのアクセを持ってくるかもしれないですね。
梶原:おぉ、ショートでふわふわパーマ苦手なんです・・・ビジューも好き・・・すごいですね、汲取力が。お見通しみたいで面白い。リハーサルにくる服装とか会話からもその人らしさを吸い取ってそこから働く想像力が長けてるんだろうなぁ。インスタの花嫁さま、皆さん似合ってて素敵ですもん。ちなみに・・・花嫁が希望する髪型よりこっちの方が似合うのになぁっていうこと・・・あります?
竹本:それはあります!その場合は提案します。これも素敵なんですけど、お顔の形がこうだからとか、この部分はこっちに持ってきた方がより良いですよとか、3つほどポイントを説明しながら提案しています。
梶原:なるほど、ロジカルに。それは受け入れやすいですね!個人的に一度ヘアメイクさんに聞いて見たかったのですが・・・自分の結婚式でやってみたい髪型ってありますか(笑)?
竹本:その質問めっちゃ困りますね・・・(笑)これが実はないんですよ・・・逆にお任せしたいです。提案してくださいって言いたい。ポイントはあるんですよ。ココは少し出してくださいとか、長さはこのくらいほしいと。嫌われそうです。(笑)
竹本:でも着てみたいドレスはあるんです。昔からその世界感が好きでネットで見つけたら保存したりしていて。見てもらっていいですか!?(笑)
梶原:(可愛い・・・)
結婚式前日、花嫁がやるべきケアはコレしかない!?
梶原:私もそうでしたが、準備でバタバタのあまり一ヶ月前なのに髪がバサバサ・・・三日前なのにニキビが・・・という話を良く聞きます。
竹本:みなさんよく言ってますねー。多いです、本当に。忙しかったら仕方ないと思うんです、正直。結婚式が近づかないと出来ない準備もあったりしますし、お仕事もありますもんね。でも・・・前日は22時に寝てください!
梶原:そうそう、早くよく寝るだけでお肌ふっくらしますよね!年重ねる度に実感します!(笑)
竹本:そうなんですよー!本当に特別なケアはいらなくって。ゆっくりお風呂に浸かって血行をよくしてリラックスして、なんならちょっとパックをして。
梶原:それは手持ちの化粧水などで良いんですか?
竹本:全然良いです。そういう意識の持っていき方というか、余裕を作るっていうのが大切で。女性ってホルモンバランスによってお肌の状態も変化しやすいので、無理して刺激の強いものとか使ったことがないものとか、いわゆる駆け込み美容は本当に怖いので無理しないで・・・って思います。
それに花嫁さまによってかけたい美容って全然違いますよね。最近でいうと歯のホワイトニングはなるほどねって思いました。まぁでもとりあえず前日と言わず、三日前からゆっくり寝てください。(笑)
梶原:私は自分の結婚式の時、ヘアメイクさんに前日はシャケとアボカドを食べて!って言われたんです・・・。
竹本:シャケ?(笑)でも、確かにシャケってアスタキサンチンが多く含まれているので美白に良いんですよね。
梶原:なるほど、黒いからか!
竹本:ビタミンEとかもあってお肌もふっくらするし理にかなってると思います!(笑)
持ち込み業者としての立場
梶原:ちょっと話は変わりますが、竹本さんはいわゆる持ち込み業者でいろいろな問題に直面することもあると思うのですが・・・持ち込み料を取られても竹本さんで!と受注が入る事もありますよね?
竹本:ありがたいことに、そう言ってくださる花嫁さまもいらっしゃいます。持ち込み料がある式場さんもあるみたいですが、会場によって規定は様々ですね。例えば専門式場ではないホテルの場合は、持ち込み料が無い代わりにお支度部屋がホテルになる場合がほとんどでしょうか。
梶原:逆に竹本さんにお願いしたいのにダメだったということも・・・
竹本:ありましたね。持ち込み自体がどう頑張ってもダメなところとか、花嫁さまが式場側と交渉したけど無理でしたって。
梶原:firstfilmももちろんあります。外注カメラマンは持ち込みが出来ても挙式やお支度部屋は撮影禁止などと制限がかかることも少なくないです。ただただ、新郎新婦がひとつひとつ納得しながら選んで作り上げただけなのにって思いますよね。式場側にも都合はあるのでなんとも言えないのですが。
竹本:そうなんですよね。もちろん会場のやり方というのがあるし、外注で呼ばれて来てるんだよっていう出方も絶対違うし、あくまでも新郎新婦が主役で輝くための1日であって、その日を滞りなく進めていくということが会場も私も最大のミッションなので・・・。でも、外注するのが常識というかそういう流れにはなってきているので、それがどういうふうにすれば持ち込めるかっていうのがもうちょっと浸透すればなぁ。それこそ最初の交渉次第だと。
梶原:そうそう・・・全てはハンコを押す前に・・・みんな意外と知らないんですよ。ヘアメイクとかドレスの情報はたくさん持ってるのですが。持ち込みに関しては、式場を決めてトラブルや困ったことが起きてから慌てて調べるので・・・決めちゃってから連絡するのではなく式場を決める前に一回業者に相談、という形をとってもらいたいですね。