結婚式で親しまれている定番ネタ「3つの袋」。
結婚生活はとても長く、ときにトラブルが起きたり、パートナーとケンカしてしまったりすることもあるでしょう。そんな出来事を乗り越えながらも夫婦円満でいたいですよね。
「3つの袋」は、結婚生活における夫婦円満の秘訣をわかりやすく的確に表現しており、それぞれの袋に意味や理由が込められています。
ここでは、「3つの袋」の意味や理由、スピーチ例文などをご紹介したいと思います。
「堪忍袋」、「巾着袋」、「お袋」の3つの袋の意味とは?
結婚式の祝辞やスピーチでよく話に挙げられる3つの袋。
3つの袋とは、夫婦円満の秘訣を「堪忍袋」、「巾着(給料)袋」、「お袋」などの袋に例えたお話です。
結婚生活において、夫婦円満でいることはとても大切です。結婚した誰もが円満でいたいと思うことでしょう。
そんな大切な夫婦円満の秘訣を、なぜ結婚式の祝辞で「堪忍袋」、「巾着袋」、「お袋」に例えるのでしょうか?
下記では、3つの袋に込められている意味をそれぞれご紹介していきたいと思います。
「堪忍袋」の意味と3つの理由
はじめに、堪忍袋についてご紹介していきます。
堪忍袋とは、がまんできる気持ちの度合いを袋に例えた言葉です。
がまんならない出来事が起きたときに「堪忍袋の緒が切れた」と表現しますよね。
結婚生活では、堪忍袋の緒をしっかり締めておくことが大切といわれています。
理由は、3つあります。
1つは、いつも怒っていては長い結婚生活において大変であるため。
2つは、感情的に怒ってしまうと後々後悔しかねないため。
3つは、子どもの前でケンカしてしまうとご家庭に悪影響を与えるためです。
つまり、簡単に怒ったりケンカしたりしないよう、がまんする気持ちも大切であることをいっています。
「巾着袋」の意味と2つの理由
続いてご紹介するのは、巾着(給料)袋です。
日本は以前巾着袋に金品を入れるのが一般的でした。
結婚生活では、巾着袋もといお金を管理することが大切といわれています。
理由は、2つあります。
1つは、夫婦生活にお金はなくてはならないためです。お金は住居や車の購入、子どもの学費の他に、急な病気や事故があったときに必要になります。
2つは、浪費の予防です。どんぶり勘定をしていると、本当に必要なときに足りないなどのトラブルが起こりかねません。
「お袋」の意味と3つの理由
最後にご紹介するのが、お袋です。
結婚生活において、お母さんとの関係が大切といわれています。
理由は、3つあります。
1つは、お母さんのサポートを受ける場面があるためです。子どもが生まれたときや、急な病気や事故が起きたときなど、サポートが必要になります。
2つは、お嫁さんとお姑さんの関係が結婚生活に影響あるためです。嫁姑問題は離婚話につながる場合も…。
3つは、親が年齢を重ねたときに、介護や相続と向き合うときがくるためです。
今すぐ使える♡3つの袋のスピーチ例文とコツをご紹介
3つの袋は主にはなむけの言葉として主賓、上司の立場の人が新郎新婦へ贈る話題です。
そのため、ここでは主賓挨拶の場合として、スピーチの例文をご紹介していきたいと思います。
・主賓挨拶の流れ
主賓挨拶は、下記の流れが一般的です。
1、自己紹介
2、祝福の言葉と陳謝
3、着席の促し
4、エピソードトーク、結婚後の新郎(新婦)への思い
5、新婦(新郎)について触れる
6、はなむけの言葉
7、結びの言葉
「6、はなむけの言葉」で3つの袋のお話を取り上げるのがオススメです。
また、さいきんの結婚式ではおかたすぎず、5分以内でおさまるスピーチが好まれる傾向にあります。
・スピーチ例文
(自己紹介)
ただいまご紹介にあずかりました新郎の○○くんの上司であります、●●でございます。
(祝福の言葉と陳謝)
本日はこのおめでたい席にお招きいただきまして、厚く御礼申し上げます。
ご新郎ご新婦ならびに、ご両家の皆様方におかれましては心よりお祝い申し上げます。
誠に僭越ではございますが、ひとことお祝いの言葉をのべさせていただきます。
(着席の促し)
どうぞ、ご着席ください。
(エピソードトーク、結婚後の新郎(新婦)への思い)
新郎○○くんが入社されたのは、いまから5年ほど前になります。
入社当初から仕事に対して前向きで、熱意のある姿勢が印象的で、社内でも目立つ存在だったように思います。
持ち前のパワーと努力でどんどん仕事を覚え、いまでは社内と取引先の人気ものです。
(新婦(新郎)について触れる)
新婦の□□さんのことは、○○くんから家庭的で優しい人と聞いております。
○○くんは一度夢中になると食事をせずに打ち込むようなところがあります。
そんな○○くんをときに叱咤激励しながら、支えてあげていただけたらと思います。
(はなむけの言葉)
私事でございますが、今年で結婚生活20年目を迎えました。
ここで同じ家庭を持つものの先輩として、夫婦円満でいるアドバイスをしたいと思います。
結婚生活には、大切にしなくてはいけない3つの袋があります。
1つは、堪忍袋です。長い結婚生活、いつも衝突していては疲れてしまいます。思いやりを持って、ときに忍耐することも大切です。
2つは、巾着袋です。生活を支えるためには、お金が必要です。きちんと管理することが大切です。
最後は、お袋です。いままで育ててもらったご両親へ感謝の気持ちを忘れずに、これからもお付き合いしていくことが大切です。
以上の3つの袋を結婚生活でも大切にしてくださいね。
(結びの言葉)
長くなりましたが、これをもちまして私のお祝いのご挨拶とさせていただきます。
本日は本当におめでとうございます。
・スピーチを作るときのポイント
1、自己紹介
2、祝福の言葉と陳謝
3、着席の促し
4、エピソードトーク、結婚後の新郎(新婦)への思い
5、新婦(新郎)について触れる
6、はなむけの言葉
7、結びの言葉
上記の「4、エピソードトーク、結婚後の新郎(新婦)への思い」と「5、新婦(新郎)について触れる」に、新郎新婦にまつわる話をしっかり盛り込むのが成功の近道です。
4と5以外は型がほぼ決まっているため、例文を参考に作ってみてくださいね。
また、「6、はなむけの言葉」には3つの袋の話を盛り込みましょう。
それぞれの袋で1番伝えたい意味合いをお話するとよいでしょう。
スピーチについては、こちらの記事「結婚式の主賓挨拶・乾杯発声・友人スピーチ文例付き完全マニュアル」をチェックしてみてくださいね。
3つの袋の番外編!「胃袋」、「笑い袋」、「3つの坂」
スピーチでよく取り上げられる3つの袋、「堪忍袋」、「巾着(給料)袋」、「お袋」。
実は、上記以外にも袋にまつわる小話があります。
ここでは、3つの袋の番外編をご紹介していきたいと思います。
(1)胃袋
人間三代欲求のひとつ、食欲。
以前はよく「男を掴むなら、まずは胃袋から」といわれていたほど、食欲を満たすのはとても大切と考えられています。
結婚生活においても、食欲を満たすことは大切だと伝えたいときに、「胃袋」を話にあげられます。
(2)笑い袋
笑い袋とは、ボタンを押すと笑い声が再生されるジョークグッズです。
「笑う門には福来たる」ということわざがあるように、笑いはとても大切です。
いつも明るく笑いのある家庭を築いてほしい、そんな気持ちを伝えたいときに「笑い袋」を話に取り上げられます。
(3)3つの坂
3つの袋の他に、「3つの坂」のお話も祝辞やスピーチで定番です。
「3つの坂」とは、「上り坂」、「下り坂」、「魔坂(まさか)」のことをいい、由来は戦国武将の毛利元就といわれています。
・「上り坂」
結婚生活には、上り調子でなにもかもがうまくいく「上り坂」があります。
ただし、長くは続かないため、おごり高ぶらず、謙虚な気持ちを大切にしなければなりません。
・「下り坂」
上り調子のときがあるように、下り調子のときもあります。
ただし、上り坂同様に、長くは続きません。じっと耐えれば、必ずよいことが待っています。
・「魔坂(まさか)」
「魔坂」は、「まさか〜になるなんて」の「まさか」と掛けています。
結婚生活では、予想もできないまさかの出来事も起き得ます。
上記3つの坂をまとめると、「結婚生活は「上り坂」のときも、「下り坂」のときも、「魔坂(まさか)」というときもある」ということです。
まとめ
夫婦円満の袋といわれている「堪忍袋」、「巾着袋」、「お袋」、「胃袋」、「笑い袋」。そして「3つの坂」。
それぞれの袋や坂に込められている意味や理由を知ると、結婚に大切なことだと頷けますよね。
みなさんは、今回ご紹介したお話の中でどれが大切だと思いますか?
みなさんが思う大切なお話をスピーチに組み込んでみてくださいね。
今回の記事がみなさんの参考になりましたら幸いです。