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KEIKO OHASHI Art Director

2017.07.10

入籍しない派夫婦に知ってほしい!事実婚のメリットとデメリット

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事実婚 結婚

近年、事実婚はテレビや雑誌などで取り上げられる機会が増え、世の中に浸透しつつあります。


また、「仕事の関係で姓を変えたくない」、「婚姻届に縛られたくない」などといった気持ちから、事実婚を選択するご夫婦は少なからずいらっしゃいます。事実婚は入籍しないことから、姓が変わることも、法律に縛られることもありません。


しかし、相続の権利義務がないなどのデメリットもあります。

今回は、入籍しない派夫婦に向けて、事実婚とは何か?ということと、事実婚のメリットとデメリットをご紹介したいと思います。ぜひ一読くださいませ。

そもそも、事実婚ってなに?気になる疑問を解説!

はじめに、「そもそも、事実婚ってなに?」、「事実婚と婚姻届を出した法律婚の違いは?」などといった疑問を抱いている方に向けて、事実婚についてご紹介したいと思います。


事実婚をご検討している方はぜひチェックしてみてください。


(1)事実婚は、婚姻届を出していない婚姻関係にある夫婦のこと

それでは、「事実婚とはなにか?」ということにフォーカスを当ててご紹介したいと思います。


事実婚とは、婚姻届を出していないが、同居しており、婚姻関係にあるカップルのことをいいます。


具体的にいいますと、同居をしていて、家事の分担、家計や財産の共用など、婚姻届を提出している夫婦となんら変わりのない生活を送っており、お互いが婚姻の意識を持っているカップルは、事実婚関係にあるといえます。


下記にて、事実婚だと認められる主な項目を分かりやすく個条書きにしてみました。


・同居をしている

・家事の分担、家計や財産の共用など、協力し合っている

・貞操を守っている

・婚姻の意識を持っている


以上になります。事実婚において最も重視されているポイントは、お互いが婚姻の意思を持っているかどうかになります。婚姻の意思を持っていなければ、事実婚ではなく同棲状態にあることになります。


次に大切なポイントは、同居をしていることです。


事実婚における同居とは、住民票を同一世帯にし、続柄を「夫(未届)」または「妻(未届)」と記載して提出した状態をいいます。

週末だけの同居や、半同棲などといった完全に同居していない状態は、事実婚だと認められない場合があるので、注意が必要です。


婚姻の意識や同居に加え、周りの理解があるとより事実婚関係が認められやすくなります。具体的には、以下のようになります。


や兄弟など親族から夫婦としてみられている

・勤務先や取引先など社会的に夫婦としてみられている


また、お二人の間に認知したお子さんがいる場合も事実婚関係が認められやすくなります。


(2)事実婚夫婦と婚姻届を出した法律婚の権利義務の主な違いは、相続の権利

次に、事実婚夫婦と婚姻届を出した法律婚における権利義務の違いをご紹介してしていきたいと思います。


結論からお話しすると、事実婚と婚姻届を出した法律婚の権利義務は、ほぼ同等です。

事実婚も法律婚と同様に、パートナーの扶養に入ることも、保険の家族割引サービスを受けることも、住宅ローンを組むことが可能です。


しかし、事実婚は法律上婚姻していないため、パートナーを配偶者と法律で認めることができません。そのため、配偶者控除や配偶者特別控除を受けることは不可能です。


また、事実婚には相続の権利義務が与えられていません。ただし、遺言を書いておくことで、パートナーに財産を残すことができます。しかし、その場合、相続税が通常の2割多くなるデメリットがあります。


(3)子どもができたときの法的手続きについて

事実婚をご検討している方からよく耳にするのは、「子どもができたら、どうすればよいの?」という声です。ここでは、そんな疑問にお答えしたいと思います。


事実婚状態でお子さんが誕生した場合は、母親の戸籍に入り、母親の姓になります。父親が役所に「認知届」を出せば、父親とお子さんに法的関係が構築されます。


父親の姓にしたい場合は、父親の養子になれば可能です。

法律婚の場合、お子さんは夫婦の戸籍に入るため、「認知届」を提出する必要がありません。


(4)事実婚と同棲の違いは、婚姻の意識があるかどうか

続いては、事実婚と同棲の違いをご紹介していきます。


事実婚と同棲には、大きな違いがあります。大きな違いとは、お二人に婚姻の意思があるかいなか、という点です。


両者とも同居していることに変わりありませんが、お二人に婚姻の意識がある場合は事実婚、ない場合は同棲になります。


また、事実婚は法律婚とほぼ同等の権利義務が与えられるのに対し、同棲は権利義務が発生しません。

事実婚は夫婦別姓でいられる!事実婚のメリット5選

続いては、法律婚と比較して事実婚のメリットをご紹介していきたいと思います。


(1)夫婦別姓でいられる

事実婚は、夫婦別姓でいることができます。


法律婚は、婚姻届を出すと夫婦どちらかの戸籍にどちらかが入り、同じ姓を名乗らなければなりません。現在の日本では、女性が男性の戸籍に入り、男性の姓を名乗るのが一般的です。


お仕事などによっては姓を変えることが難しい場合があります。そういったときに、夫婦別姓でいられる事実婚を選択すると、お仕事に支障がでることはありません。


また、姓が変わらなければ通帳や運転免許証、パスポートなどの変更手続きをする必要がなく、手間が省けるのも嬉しいポイントですよね。


(2)対等な関係を維持できる

事実婚のご夫婦の中には、対等な関係を維持するために事実婚を選択した方もいらっしゃいます。


現代の日本において、互いの役割を「夫」と「妻」と明確にした場合、「夫」は働いて家族を養わなければいけないもの、「妻」は家事をして家庭を守らなければならないものなどといったイメージが周りから期待されるケースがあります。


そういったケースを回避し、対等な関係を維持したいときに有力な方法となりうるのが、事実婚です。


(3)事実婚は諸手続きがラク

事実婚は、法律結婚に比べて諸手続きが断然にラクです。


法律婚は婚姻届を提出したのち、夫婦どちらかが姓の変更にともなって預金通帳や運転免許証などの変更手続きをしなければなりません。


姓の変更手続きを受けるける機関や窓口がそれぞれ異なるため、手続きに何日もかかってしまうことも…。


一方で、事実婚は婚姻届の提出も姓の変更手続きも必要ありません。事実婚は法律結婚に比べて諸手続きが断然にラクだといっても過言ではないでしょう。


(4)関係を解消しても戸籍上何の問題がない

事実婚は、関係を解消しても、戸籍上何の問題がありません。


法律婚は戸籍上に離婚歴、いわゆるバツがついてしまいます。加えて、お子さんがいる場合はどちらが親権を持つかを決めなければなりません。


一方で、事実婚は戸籍上にバツがつくことがなく、お子さんは元々の戸籍から変更にする必要がないため、法律婚に比べてスムーズに関係解消に向かうことが多いです。


(5)家制度に左右されない

事実婚は、パートナーの一族に嫁ぐこととはまた異なりますので、家制度に左右されることは比較的ありません。


一族によって代々引き継がれてきた風習や文化が存在する場合があります。法律婚をしてパートナーの一族に嫁げば、それにならわなければなりません。


しかし、事実婚はパートナーの一族に嫁ぐことととは異なります。そのため、家制度から自由にいることが可能です。

事実婚はメリットだけじゃない!デメリット4選

次に、法律婚と比較して事実婚のデメリットをご紹介していきたいと思います。


(1)周りの理解を得にくい

事実婚はテレビなどで取り上げられ、誰もが一度は耳にした言葉ではありますが、現代の日本において浸透しているとはいえません。


そのため、親や兄弟、友人などから入籍することをおすすめられたり、入籍しない理由を問われることはあるでしょう。そのたびに、入籍しない理由を話さなければならないなど、根気強さが求められます。


(2)相続などの権利義務がない

先ほどお伝えしたように、事実婚には相続などの権利義務が与えれていません。


遺言書にその旨を記載してあれば、パートナーでも相続できますが、相続税がかかります。

また、事実婚は法的に婚姻関係にあることになっていないので、配偶者特別控除を受けることができません。


上記に加えて、生命保険の受取人にパートナーを指定する際に、法律婚に比べて手間と時間がかかるケースがほとんどです。


(3)社会的信用が低い

先ほどお伝えしたように、現代の日本において事実婚は浸透しているとはいえません。


そのため、残念ながら社会的信用が低い現状にあります。


例えば、パートナーが急に倒れ病院で急遽手術をすることになったときに、事実婚のパートナーでは手術の同意書にサインをすることはほぼできないと考えた方がよいです。


また、周りから他人から疑問に思われることもあるかもしれません。


(4)お子さんに考えられるデメリット

法律婚では夫婦の戸籍は同一ですが、事実婚は夫婦の戸籍が別なので、姓も別です。


事実婚でお子さんが誕生したときは、両方の戸籍に入ることができないため、どちらかの戸籍に入ることになります。


母親の戸籍に入り、父親が認知届を提出する、もしくは父親の養子になり、父親の戸籍に入ります。


繰り返しになりますが、現代の日本において事実婚の浸透度が低いため、親と姓が違うことにより、他人から疑問に思われてしまうときが考えられます。


(5)パートナーと気持ちでのみ繋がっていること

事実婚は、婚姻届を提出していないため、パートナーと気持ちでのみ婚姻関係が繋がっていることになります。


一方で、法律婚は婚姻届を提出しているため、気持ちのみならず、法律的にも婚姻関係が構築されています。


ただ、気持ちでのみ婚姻関係が繋がっている事実婚を心地よく感じるケースもあるため、一概にデメリットとはいえませんが、ときに不安に思うケースもあるかと思いますので、デメリットとして挙げました。

まとめ

事実婚のメリットとデメリットをご紹介しましたが、いかがでしたか?


事実婚は面倒な法的手続きを行う必要がなく、姓が変わらない、対等な関係を築きやすいなどのメリットがある一方で、社会的知名度が低い、相続の権利義務がないなどのデメリットがあります。


事実婚をご検討している方は、上記に挙げたメリットとデメリットを比較してみてください。あなたに事実婚が合っているかが見えてくるはずです。

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