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AZUSA TAMURA Director & LGBT Adviser

2018.02.10

結婚式のスタジオポーズ写真は必要?(前半)

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結婚式を挙げる事が決まって、そこから時間を掛けて準備が始まります。

会場を決めて、ドレスを決めて。自分の中で「ここだけは譲れない!!」という大きな部分から決めて行きます。そして、あまり気にしていなかった写真やビデオを決めなければならないことに、はたと気がつきます。

この時点で、予想より予算を越えていたりする場合もあります。色々と打ち合わせをこなして来たあなたの頭の中では、こんなことがぐるぐる巡っていませんか?

「ブライダルフェアも色々見て回ったけど、どこの会場の写真スタジオも、きっと大差ないよね…。スタジオ写真って、ちょっと古くさいし…。スナップ撮影は素敵な会社をネットで見つけたし。そっちの方が断然安かったけど、持ち込めるかな…。そのカメラマンさんに同じ感じで撮ってもらえばいいかな〜。あ、でも親戚来るから、集合写真は必要かな〜。なんか、料金もよくわからないし面倒くさいな〜。」と。

さてさて、古くさいような気がするスタジオ写真、どうしましょうね。

結婚式での写真撮影に関して、少し内情をお話しましょう。

スタジオ写真とは

結婚式を挙げる会場を決めた時に、担当プランナーから会場を案内されます。その時に、色々な種類のアルバムや、台紙に貼ってある写真のサンプルを見せられる、あそこが写真スタジオです。(会場によっては、無い場合もありますし、ブライダルサロンでという場合もあります。)

結婚式において、いわゆる「The 記念写真」なイメージの写真を撮影する所です。

会場によって、スタジオがある場合とない場合があります。その場合、撮影はどうなるのでしょうか。


(1)会場に写真スタジオがある場合。


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photo by Fukaura


新郎新婦の写真を撮影する時に、色々な角度から複数のライトをあてて、一番美しく写るライティングを組める設備が整っています。

また、ドレスのデザインを意識したドレスのさばき方、和装であれば、お着物が一番美しく見える型の付け方を、実践で身につけているスタッフが常駐しています。そのため、美しくスムーズにフォーマルな撮影ができます。

親族の集合写真を撮る場合。スタジオの規模にもよりますが、元々、集合写真用の段がセッティングされているので、家族のみの少人数から両家親族数十名まですみやかに撮影することが可能です。


(2)会場に写真スタジオがない場合。


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photo by Fukaura


(3)スタジオはないけれど、ポーズ写真を撮影するための会社が入っている場合。


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会場内の撮影スポットに最低限の数でライトを組んで、出来るだけスタジオ撮影に近い状態で撮影をします。結婚式当日の流れを妨げずに、撮影ポイントで適切な状態にライトを組みます。そしてスタッフ同士でテスト撮影を繰り返しながら新郎新婦の到着を待ち、そこから笑顔を引き出し、撮影が終わり次第何事も無かったかのように機材を片付ける、という流れで撮影をします。

ただ、ライトの数が多くなればなるほど、光のコントロールは複雑になっていくので、スピードを求められる現場では、必要最低限で最大の効果を引き出せるライトの数で、撮影をします。

それでも現状、ポーズ写真を撮影するカメラマンの腕が良いことと、良い機材を使っていれば、スタジオが無くともポーズ写真を美しく撮ることは可能です。

集合写真撮影に関しても、会場によっては即席でひな壇を作り、ある程度の人数まで撮影可能です。

スタジオ写真撮影の現状は、ほぼ全てがデジタルカメラでの撮影です。

しかし、ほんの10数年位前までは、フィルムを使っている会社も数多くありました。

その時代には、写真を大きくプリントするために、フィルムそのものも大きなフィルムを使用して撮影していました。カメラも通常の一眼レフよりも扱いが複雑なカメラでした。

「ちょっと古くさいかも…。」と思ってしまう写真スタジオには、実は、あまり一般的ではないカメラを扱う技術と、光を上手に扱う技術で撮影をしていたカメラマンがいる可能性が高いのです。(たまには、ハズレもありますが…。)

スナップ撮影とは

結婚式におけるスナップ撮影は、現在数多くの会社が存在しています。

会場の写真スタジオ所属のスナップカメラマン(1つの会場に数社入っている事もある)、ホームページで受注して、会場に持ち込みとして撮影に入るカメラマン。フリーランスで個人で撮影を請け負うカメラマン。

形は色々ですが、撮影内容は「カメラマンが1日中新郎新婦に密着して、結婚式当日の様子を様々な形で記録すること」です。


(1)スタジオ撮影とスナップカメラマンの違い


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photo by Fukaura


撮影されたデータは、目つぶりや被写体ブレ等のボツカットを差し引いて、全て新郎新婦の手元にデータとして残ります。アルバムを注文した場合、そのデータの中から、1日の流れが分かるようなカットを使ってアルバムが制作されます。

スタジオ撮影とは違う要素が、スナップカメラマンには求められます。

結婚式当日の1日の流れの把握に始まり、

一日中重い機材を持ち歩いても手ブレしない体力、

照れてしまって一瞬で終わるキスシーンを逃さない集中力、

素敵なカットが撮れそうな所を見抜いて先回りする素早さ、

被写体とは別に光と影だけを見る物の見方、

新婦のお父さんが泣いてももらい泣きしないように堪える忍耐力・・・などなど。

パチパチっと簡単に撮影しているようですが、撮影が上手なスナップカメラマンは、一瞬にして様々な情報を処理して撮影をしています。(そんなカメラマンと最初から分かっていれば、安心して撮影も依頼出来ますが、必ずしも全てパーフェクトにこなせるカメラマンばかりではありません。)


(2)「この人に撮って欲しい!」という気持ちを大切に


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スナップカメラマンは、基本的にはまんべんなく全ての場面を撮れますが、もちろん得意不得意があります。ビューティ系の雑誌のように、女性のアップが得意なカメラマン、移動している場面を印象的に撮るのがうまいカメラマン、スタジオのポーズのようにかっちり撮るのが得意なカメラマン、とさまざまです。もちろん全てを持っているカメラマンもいます。(ごく一部ですが)


会場専属のカメラマンにしろ、直接依頼をした、いわゆる持ち込みのカメラマンにしろ、「この人の写真の雰囲気が好きだ!!」「この人に撮って欲しい!!」という気持ちがあるならば、その人に撮ってもらえるように動くのが良いと思います。

持ち込み禁止や、持ち込み料が掛かる会場もありますが、言わずに諦めるのではなく、ひとまず担当プランナーに話すだけでも話してみましょう。記録は一生残ります。一生残す写真で、不満や後悔が残らないようにしましょう。


さて、スナップ写真とスタジオ写真。同じ「撮影」とはいえ、撮る主旨が全く違うことがわかりました。


・スタジオ写真

止まっている人を、ドレスや着物のディテールまで美しい角度でキッチリかっちり美しく撮影。様式美としての作品写真。


・スナップ写真

結婚式当日の雰囲気を含め、全てを写します。動いている人を、その瞬間を、躍動的に美しく。記録としての役割を果たしつつ、状況がわかるように撮影したもの。カメラマンによって写真の方向性が異なる場合があるので、写真のテイストは要確認。

スタジオ撮影:撮る?撮らない?

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photo by Fukaura

 

ここまで、スタジオ撮影とスナップ撮影の内容を比較してきました。

それらを踏まえた上で「スタジオ写真…。撮る?撮らない?」という選択をしなければなりません。

 

はじめから「絶対撮る!!」と決めている方と、はじめから「絶対撮らない!!お金のムダ!!(新婦が思っている場合。新郎が思っている場合はダメです)」こちらの項目は飛ばして頂いて結構です。

 

この項目は主に「スタジオどうしようかな。予算的にスナップだけでいいかな〜。」「スタジオ、いらないんじゃないかな〜? スナップで撮ってもらうし!!」と迷っている方は、このまま目を通して下さい。

 

(1)会場内で簡易的なフォーマル写真を撮ることが増えてきている

 

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最近は、会場内の絵になりそうな場所で、スナップカメラマンが、フォーマルな写真を簡易的に撮ることが多くなっています。時間もかからず、簡単ですし、何より畏まった感じではなく、楽しく撮ってもらえる。そのうえ、料金もスナップ撮影の範囲内でお得!! そういったニーズに合わせた流れなのでしょう。

 

 しかし、スナップカメラマンによっては、撮影はうまくても、ポーズ写真のいわゆる型をマスターしていないということも多々あります。また、男性カメラマンの場合、女性のドレスのパニエや、着物の掛下の直しをするのが難しい場合があります。そのためにアシスタントが1人必要になるかもしれません。特に白無垢や色打ち掛け、引き振り袖等の和装は、型付けが難しく、一朝一夕にできるものではありません。

 

 会場によっては、着付けの先生やメイクさんが必ず一緒に付いて回る場合もあります。その場合、カメラマンはドレスや着物のさばきを意識せずとも撮れます。しかし、そうではない場合、スタジオ並みのクオリティは望めないと思っていた方がよいでしょう。スケジュールの流れの中で撮影するため、スタジオと同じ位の時間を割いてもらえない可能性も高いのです。

 

それでも、スナップ撮影内で、きっちりフォーマル撮影を希望する場合は、カメラマンの方にも、それに見合った準備が必要となりますので、前もってそのように伝えましょう。

 

(2)スタジオ写真は次の世代に残すつもりで・・・


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もし、新郎新婦両家の祖父母の結婚式、父母の結婚式で撮影したスタジオ写真が手元にあるならば、ぜひ、スタジオでのポーズ写真の撮影をお勧めします。ちょっと無理をしてでも、残した方が良いのではないかと、個人的には考えています。

 

 写真スタジオでの撮影は、一番経験を積んでいるカメラマンがポーズ写真を撮ることが多いのです。そのため、年配の男性だったりもしますが、(最近は女性カメラマンが撮影するスタジオも増えてきています。)写真に関して心配な事や、迷っている事がある場合、ぜひ相談してみて下さい。経験と知識から希望に沿った答えを一緒に探すことができます。

 

 スタジオ写真は、昔からの型を重視する様式美を突き詰めたもの。また、定点撮影としての記録の意味合いも持ち合わせています。

代々、同じような型で撮影を繋げていくことにより、貴重な作品として残していくことができるのです。お二人に繋がる、目に見えない家族の繋がりを感じることが出来る、数世代にわたる大きな作品となり得るのです。

 

3世代のスタジオ写真を比較した時に分かる事があります。「オレのこの鼻の形は、父さんじゃなくて、実はおじいちゃんにそっくりだったのか!!」「おばあちゃんとお母さんの若い頃ってそっくり!!」といったような発見です。長い時間をかけて、たくさんの人が繋がって、今自分がここにいるんだということを見せてくれるのです。

 

そんな発見が出来るツールを、ご家族が代々残してくれているのなら、自分たちも次の代に残すつもりで、スタジオ写真を撮ってみる意義は大きいです。

 

スタジオ写真は、昔から続いている撮影スタイルなので古くさく見えますが、積み重なることにより、古くさいだけではない何かが必ず現れて来ます。

 

(4)結局、スタジオ写真は撮った方がいいの?撮らなくてもいいの?


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photo by Fukaura

 

長い目で見た場合、撮る事をお勧めします。

 

既に、家族写真を撮ることが、家族の中で当たり前のことなら必ず撮りましょう。

予算が本当に厳しいし、写真はそれほど重視していないので、なるべく撮りたくない場合は、せめて親族集合写真だけは撮りましょう。

 

そして、基本的には、スタジオの撮影データは手元には残らないので、必要な数だけの焼き増しを検討しておきましょう。(スタジオによっては、データ買い取り可能な場合もあります。)

 

(4)プリントアウトもプロに頼むのがおすすめ


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「スナップ撮影で、それっぽく撮ってもらって、データを写真屋さんに持って行ってプリントするから、スタジオ写真はいらないわ。」と考えていらっしゃる方も多いと思います。

 

写真スタジオでは、プロラボといって、プロ専用のプリント会社に頼んでプリントをしています。紙質も色調整も全て違います。それ専用の部署があるのです。近所のプリント機械、近所の写真屋さんの店員さんがいくら丁寧でも、商品そのものの品質がもとから違うラインなのです。(チェーン店ではなく、個人のお店の場合、突っ込んだ話をすると、プロプリントに辿り着ける場合があるかもしれません。)

 

そのため、もちろんお値段にもその部分は反映されてしまい「スタジオ写真、高くない?」という結果に結びついてしまってはいますが、決してムダに高い訳ではないのです。

写真スタジオで見たサンプルと、自分でお店に出したプリントでは、おそらくかなりの差が出ることになります。

「でも、安くで仕上げて、みんなに配りたいからいいの!!」と言う場合は、プリント機械だけですぐにその場で出るものではなく、せめて店員さんと話して注文出来るお店でプリントしましょう。

まとめ

「古くさいから、撮りません!!」と敬遠されがちなスタジオでのポーズ写真ですが、実はメリットもたくさんあります。予算との兼ね合いも、もちろんありますが、新郎新婦2人だけで決めずに、両家ご家族と準備段階の早い時期に相談してみましょう。

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