結婚式にお呼ばれした際、スマホカメラで撮影するという方がほとんどなのではないでしょうか?結婚式後にFacebookやInstagramにステキな写真アップしたいですよね。
こんな経験はありませんか?
「ステキな写真を撮るために、雑誌やネットで見るような空間を生かした雰囲気のある写真を見よう見まねでマネをしてみた。が、帰ってゆっくり見返してみればどの写真もぶれていたり、同じような集合写真ばかり。さらには空間が生きているのではなくて隙間が空いてるみたいな・・・うっかりセンターがズレたみたいな雰囲気に・・・。」
いったい何が違うのでしょうか。カメラなのか、腕なのか。
右から撮った方が良いのか、左からか。顔は正面か横向きか。
縦位置と横位置の選び方は?
今回はそんな「フレーミング(絵作り)」のポイントについて見ていきましょう。
一眼レフカメラに限らず、スマホのカメラでも使える内容です!!
まずは結婚式で一眼レフをうまく使いこなすために知っておくべき3つの設定を読み込んでいただき、ある程度カメラの扱いにも慣れ、手ブレの防止や露出の意味を知っておくことがおすすめです。
日の丸写真は悪くない?
(1)よくある失敗例「日の丸写真」
写真のフレーミング(絵作り)失敗例としてよく挙げられるのは「日の丸写真」です。
名前の通り、画面のど真ん中に人や物がある状態です。
写真の入門書やカメラ雑誌、インターネット上での記事でよく悪者にされていますし、
今まで撮った写真が「日の丸写真」だったというだけで、ちょっと写真に詳しい人に「日の丸構図だね」と言われたことはありませんか?
写真に興味を持ち始めて勉強していくと「日の丸写真はダメ!」ということがよく書かれています。
(2)「日の丸写真」はやってはいけない事ではない!
画面の真ん中に撮りたい物や人を堂々とフレーミングする事は、実はダメな事でも恥ずかしいことでもありません。
逆に「日の丸写真」になることを恐れて変に写真の中心を左右にずらしてしまうと、中途半端な印象の写真になってしまう場合もあります。
普段、様々なポスターや音楽CD、雑誌などで被写体がど真ん中に置かれている写真を見た事があるかと思います。
このように「日の丸写真」のフレーミングで撮っているにもかかわらず、カッコ良く撮れている例がたくさんあります。
「日の丸写真」が良くないとされている理由は、「ど真ん中に被写体を置いて撮る」ということが「絵作りを何も考えて撮っていない」というように受けとられてしまい、そのことから批判されている場合がほとんどだと思います。(個人的な印象ですが)
(3)脱!ヘタな「日の丸写真」!
実はちょっとした「コツ」で「ヘタな日の丸写真」から「カッコいい日の丸写真」にステップアップする事ができます。
それは、「画面の上に少しだけ空間を空けてみる(少し上に振る)」
実はこの単純な方法だけで「日の丸写真問題」を解決出来ます。
作例1:ど真ん中に被写体を置いてみた
「ど真ん中に被写体を置いて」撮る「日の丸写真」もそんなに悪くないのでは?そう感じましたか?では作例2を見てみましょう。
作例2:少しカメラを上に向けてみた
上の作例1の「日の丸写真」状態でも写真はちゃんと成立していると思いますが、カメラを少しだけ上に向けて、頭の上に空間を持たせた作例です。少し画面に安定感が出ませんか?
結婚式ではシャッターチャンスがたくさんありますが、時間が限られているため、考えてフレーミングしている時間はあまりありません。
時間がない状態でとっさに撮らなければならない時、「日の丸写真」になりがちです。
「日の丸写真になってしまうかも…。」そう不安になったら、すぐにちょっとだけカメラを上に向けてみましょう。それだけで全く見違える写真になるはずです。
そんなちょっとしたことが、実は写真上達の第一歩になります。
カメラを構える高さを変えてみる
(1)写真上達の早道は「カメラの目線」!
写真が上達しない理由の一つに「立ったままいつもの目線で」写真を撮っていることが挙げられます。
【1】の「日の丸写真」を元に、よりステキな写真にしてみましょう。
ポイント1の作例からカメラの高さ(目線)を思い切り下げてみます。
作例1:カメラは目線のまま
作例2:目線より下でカメラを構えてみる
比較してみると、写真の印象が大分変ったと思います。
普段の自分の目線とは違うので、新鮮な印象を受けませんか?
カメラの目線を下げるテクニックの効果は「いつもと違っている」だけではありません。
特に全身を入れて撮る場合、「足を長く、スタイル良く撮る」事が出来ます。
効果を強調するために縦位置で撮影してみます。
作例3:カメラは目線のまま
作例4:目線より下でカメラを構えてみる
普段の目線から撮るよりもずいぶん足が長く見えると思います。
これはファッション雑誌の撮影などでよく使われているテクニックです。
雑誌や新聞などで政治家や文化人などの人物をインタビュー撮影する時などにもよく使われています。
他にもカメラの目線を下げて撮る事の利点はいくつかありますが、結婚式の撮影で代表的なポイントは、スピーチして下さるご友人や来賓客を威厳を感じさせる様に写す事が出来ることです。
ただし、この方法は重要な注意点があります。
・「鼻の穴」に注意しましょう
あまり下から撮りすぎると鼻の穴が目立った写り方をしてしまい、残念な写真になってしまいます。
・ほんの少し顎を引いてもらいましょう
下からのアングルで顎が上がってしまっていると、撮られた人が威厳というより、ただ単に「なんだかエラそう」「威張っている」印象に見えてしまいますので注意しましょう。
(2)自撮りする場合のレンズのポイントは2つ!
ポイント1:カメラを上から構えてみましょう。
思い出してみてください。あなたがスマートフォンなどで自撮りする場合のレンズの位置はどうでしょうか。
殆どの場合、自分の顔よりも少し上から撮影されていると思います。理由としては、一番かわいく見える角度だからでしょう。
カメラを下から構えるアングルは、スタイルの良さやシャープさや威厳を表現するのに適していますが、上からのカメラアングルは顔が少し大きく写り、体は小さく写りますが、「柔らかい愛らしさ」を表現するのに適しています。
もちろん、一眼レフカメラでもこの「上からアングル」はもちろん有効なので試してみましょう。
ポイント2:結婚式での自撮りおすすめシチュエーション
撮影シチュエーションのおススメは、「花嫁がブーケを持っている場面」の撮影です。その場で椅子等に座ってもらうのが良いでしょう。
そうすれば、あなたが椅子やテーブルに乗らなくても簡単に上から撮影する事が出来ます。
ブライダル関連の雑誌でよく見かける「ブーケを持ったベール越しの花嫁」写真が思っていたよりも簡単に撮れるかもしれません。
このポイントではカメラの目線の高さを変える事でステキな写真が撮れる事を説明してみました。
今度結婚式に参列される機会があれば、結婚式場のカメラマンの動きをよく観察してみて下さい。上手いカメラマンは皆、しゃがんだり、立ったり、中腰になったり、膝をついたり、何か高い物の上に上ったりと、腰と膝を使い、上下に忙しくカメラ位置を動かしています。
なので、上手なカメラマンの持病は残念ながら「腰痛」です。
皆さんも試しに、しゃがんで低い目線からカメラを構えたり、逆に高い場所からカメラを構えてみて下さい。(高いところから撮る時には、足下に十分に気をつけてくださいね)
それだけで全く違った印象の写真になりますよ。
画面の空間を空けて写真に意味を持たせてみる
ここではブライダル写真がメインの記事なので写真の内容を「肯定的」なイメージを持たせるテクニックをご紹介します。
作例1:人物の片側の空間を空けてみる
作例2:人物の顔の向いている方向(目線)の空間を空けてみる
作例3:作例1に加えて、被写体となる人物の目線を上方向に持ってくる
この方法により、作例1よりも作例3の方が、より被写体となる人物が「未来に思いを馳せている」様な肯定的イメージをより強く持たせる効果があります。
ブライダルフォト以外でも、様々な映画ポスターや、「明るい未来」のイメージを表現するCM広告などに多く使われているテクニックです。
あまりブライダル写真ではあまり使いませんが、逆に目線の先の空間を少なくすると「反逆的」や「否定的」なイメージが作りやすいので、ギャング映画のポスターや、ロックバンドなどのジャケット写真などにこのテクニックがよく使われています。
作例4:「反抗、反逆的」なイメージ
縦位置か横位置か迷ったら、両方撮ってみる
(1)撮影人数や関係性で決まってくる
写真のフレーミングで一番悩む事、それは「縦か横か」問題です。
記念撮影を例に考えてみましょう。
参列者全員の記念撮影などでは写る人数が多く、横に広がってしまうため、縦か横か悩む事なく撮影できます。もちろん、その場合のほとんどが横位置になるでしょう。
しかし、記念撮影が一人か二人だったら? 全身を入れて撮るなら一人でも二人でも縦位置でしょうし(横位置では空間が空きすぎてしまいますね)、バストアップなら横位置になるでしょう。(一人の場合は縦もアリですね)
では3人では? ここら辺から怪しくなってきます。
全身を入れる場合は、3人とも仲が良く距離を空けず、くっついてくれるなら縦位置がちょうど良く収まってくれます。
ですが、会社の上司の方や、目上の方など、あまり「くっついて下さい!」とお願い出来ない場合がありますね。
その場合、縦位置だと少し収まりが悪いし、横位置だと左右両方に空間が空いてしまい寂しい印象になってしまいます。
そんな時は焦らずに縦横両方撮っておきましょう。
(2)プロのカメラマンはどうしているのか?
プロカメラマンの場合、どちらか悩んだ時は(その後の編集で使う時のことまで一瞬で考えます。)必ず縦横両方撮っておきます。
カメラマンも人間なので、とっさには判断がつかない場合も多くあるのです。
後で「縦で撮っておけば良かった!」「横で撮っておけば良かった!」と後悔することもあるのです。後悔しないためにも、余裕がある時には必ず縦横両方撮っておきましょう。
そして両方撮っておけば後でどちらか良いか選べますし、後に、どういう場合、縦が良いか、横が良いかの判断材料のベースにもなってきます。
記念撮影にかかわらず、風景や物の撮影でも同じことが当てはまります。
時間の余裕がある場合、迷わず縦横両方撮るクセをつける、これも写真上達の重要なポイントです。横位置でしか撮れないビデオと違って、写真は縦での絵作りができます。
縦の構図はうまくハマると、かなりカッコいい写真を撮ることができます。
お決まりの使い方だけではなく、遊びながら色々な撮り方を試してみましょう。
まとめ
一眼レフでもスマホでも、自分の立ち位置を変えたり、立ったりしゃがんだりして目線を変えることで、いつもとひと味違うフレーミングが出来るようになります。それに気づくか気づかないか、それだけの差です。
ステキだなと思える写真をたくさん見るだけでも、フレーミングの引き出しは増えていきます。空間を活かした雰囲気のある写真を撮って、SNSにアップしてみてくださいね。